「ふぅーっ…」
椅子に座ったまま体中の息を吐き尽くす。そのまま背もたれに身を預けて天井を見上げる。カーテンを閉め切った暗く静かな部屋の中で、時計が時を刻む音だけが聞こえてくる。
何度考えても、思考は同じ回路をぐるぐると回り続けるだけだ。答えなど出るはずがない。
これをやってしまったら全てが終わりだ――理性は言う。その一方で、決められた日常を繰り返す事に飽きた本能が悪魔の如く俺を誘惑する。
葛藤はかれこれ一時間も続いていた。いつの間にか額に嫌な汗をかいていたことに気付き、その時はっきりと思った。
――もう、限界だ。
やらないで後悔するくらいなら、やって後悔した方がいい。それに自分一人が犠牲になれば済むことだ。…その時は、本当にそう思えた。
そして俺はキーボードに向かい、検索タブに悪魔の三文字を入力した。その先にどんな悪夢が待っているとも知らず、「C70」という三文字を――――
(プロローグ 完)
椅子に座ったまま体中の息を吐き尽くす。そのまま背もたれに身を預けて天井を見上げる。カーテンを閉め切った暗く静かな部屋の中で、時計が時を刻む音だけが聞こえてくる。
何度考えても、思考は同じ回路をぐるぐると回り続けるだけだ。答えなど出るはずがない。
これをやってしまったら全てが終わりだ――理性は言う。その一方で、決められた日常を繰り返す事に飽きた本能が悪魔の如く俺を誘惑する。
葛藤はかれこれ一時間も続いていた。いつの間にか額に嫌な汗をかいていたことに気付き、その時はっきりと思った。
――もう、限界だ。
やらないで後悔するくらいなら、やって後悔した方がいい。それに自分一人が犠牲になれば済むことだ。…その時は、本当にそう思えた。
そして俺はキーボードに向かい、検索タブに悪魔の三文字を入力した。その先にどんな悪夢が待っているとも知らず、「C70」という三文字を――――
(プロローグ 完)
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